太上天皇(だいじょうてんのう、だじょうてんのう)とは、
皇位を後継者に譲った
天皇に送られる
尊号。または、その尊号を受けた、その人。
上皇(じょうこう)と略することが多い。由来は、中国の皇帝が位を退くと「
太上皇」と尊称されたことにあるとされる。また、出家した上皇を、
太上法皇(
法皇・ほうおう)と称する。ただし、両者に法的な身分差は無く、
律令法においては太上法皇も太上天皇に含まれることになる。
殆どの天皇には、譲位後すみやかに太上天皇号が奉られるが、退位によって自動的に奉られるものではないので、淡路廃帝(
淳仁天皇)のようにクーデター的に廃位されたり、
安徳天皇や九条廃帝(
仲恭天皇)のように退位・即位の事実が曖昧にされたりして、尊号が奉られなかった例もある。
足利義満の死に際し、朝廷が太上天皇の尊号を贈ろうとしたという事例もあったが、最終的には子の
足利義持が辞退した。
1817年に
光格天皇が
仁孝天皇に譲位して太上天皇になったのを最後に、太上天皇は存在していない。
明治以降の
皇室典範では譲位を認めていないため、現在に至るまで
太上天皇の制度は存在しない。
平安時代の末になると、天皇との母子関係を基礎とした外戚による
摂関政治から、父子関係に基礎を置いた上皇による
院政が行われるようになった。史上有名な上皇の多くは、この時期に属する。これら政権を握った上皇は、また
治天の君(ちてんのきみ)と称された内に含まれる(「政権を握った上皇=治天の君」
ではない)。