生物と
非生物の境界領域に
ウイルスや
リケッチアがある。両者共に他種の生きた細胞の存在なしには何もできないが、適当な細胞の存在下では一定の活動を行い、
自己複製を行って数を増やし、他の細胞へと侵入することができる。それは明らかに生物である
細菌類の
病原体の振る舞いと変わらなく見える。構造的に細胞からなるリケッチアは生物に入れられる例が多いが、
リケッチアも単独では自己増殖能力がないため、境界領域においてはこの3つの能力を基準にした厳密な線引きは難しい。細胞の構造を持たず、自己増殖能力にかかわる構造を自らの中に持たないことから、ウイルスは生物ではないと見なす判断が慣習的には多い。ただし、その存在の起源に生物が関わった可能性は高く、生物に無関係とは考えられない。
生物の特徴の一つは、それぞれの個体が
種と呼ばれるグループを形成していることである。種の違いを認識し
学名をつけるのが
分類という作業である。現在分類されている種だけで200万といわれるが、実際にはこの数倍の種があるともいわれている。分類は何段階かの範疇に従い、最も大きな範疇を
界と呼ぶ。歴史的に最も古くは生物は
植物と
動物からなるとした二界説(植物界、動物界)があり、その後の生物観の進展とともに、三界説、五界説、八界説などが登場した。現在は一般に五界説が受け入れられており、生物全体を
モネラ界(
原核生物を含む)、
原生生物界、
植物界、
菌界、
動物界に分類している。また、
分子生物学の見地から、生物全体を
真正細菌、
真核生物、
古細菌の三
ドメイン(界の上位に位置する
タクソン)に分ける方法も受け入れられてきている。