異常(いじょう)とは、「
正常でない」「通常でない」「健常でない」などとされることの総称。特に
人に向けて使われる場合は
犯罪学や
社会心理学において
ラベリング理論で指摘されるような手法を採る場合に好んで用いられてきた。
倫理面において何を以って異常と為すかは議論が多く(伝統的な倫理学では「正しさ」を扱うが、「異常」の規定は行わない)一定の見解は存在しない。例えば、
同性愛などは一時期は異常とされたが、現在は容認する国も多いことなどが挙げられる(性に関しては
変態も参照)。ただし、
優生学の呼び換えとして、
先天異常、
染色体異常などといった概念が用いられる傾向があるが、やはり前提となる「何を異常とするか」についての検証が欠落している。
もともとは異常というものの定義自体が存在しなかったと思われる。これは、
神話などで混沌とした状態が描かれている事からも分かる。しかし、やがて優劣的な観点から倫理的なものが広がるにつれ、権力的に優位に立つ者からの他者に対する差別的意識から異常という概念が生まれたと考えられる。
日本語における「異常」と「異状」の2つの単語は、発音が同じである上に意味も似通っている。大まかな使い分け方はあるもののグレーゾーンも存在し、それゆえ書き間違いや変換ミスは後を絶たない。